乳がんで失われた乳房を再建させQOL向上を目指す!
乳がんの特徴と早期発見の重要性
女性の約9人に1人が罹患し、年間患者数が約10万人に上っている乳がん。女性ホルモンの一つ、エストロゲンの影響が関係しており、初経が早い、閉経が遅い、出産・授乳経験がない、閉経後の肥満、飲酒習慣などがリスク因子と考えられています。
乳房の中にある乳腺は、主に母乳を作る「小葉」と、母乳を乳頭まで運ぶ「乳管」から成り立っていますが、乳がんの約9割は、この乳管から発生しています。初期は自覚症状が殆どなく、代表的な症状は乳房のしこりです。良性でも起こりうる症状ですが、乳がんの場合、進行すると、乳房のくぼみや乳頭・乳輪のただれ、分泌物、乳房の形の変化、皮膚の赤みや腫れなどが現れてきます。また、非浸潤がんの段階では乳管や小葉内にとどまっていますが、進行すると浸潤がんとなり、周囲の組織や血液やリンパ液を通じてリンパ節や骨、肝臓、肺、脳などに転移することもあるため、早期治療が重要です。
治療の基本は手術です。乳房の一部を切除する「乳房温存手術」や乳房全体を切除する「全摘手術」が行われますが、さらにリンパ節への転移が疑われる場合は、腋の下のリンパ節切除や、必要に応じて放射線治療、抗がん剤、ホルモン療法などが行われます。
心身の負担軽減を目指す乳房再建術の方法とタイミング
近年、乳がん手術で失われた乳房を再建する乳房再建術が大変注目されています。たとえ、がん治療自体が成功したとしても、女性にとって乳房を失った精神的負担は非常に大きいため、乳房再建術は、患者の切実な悩みの軽減を図る希望の一つとなっています。
乳房の再建方法は、自分の組織を用いる自家組織再建と、人工乳房(インプラント)を用いる方法があります。自家組織再建では、お腹や背中の皮膚・脂肪・筋肉を胸に移植し、人工乳房再建では皮膚を伸ばすエキスパンダーを入れた後にシリコンインプラントに入れ替え、乳房のふくらみを再現。また、乳房再建術を行うタイミングは、乳がん手術と同時に行う「一次再建」と術後に行う「二次再建」があり、一次再建は入院・手術が1回で済むため喪失感を軽減できますが、乳がん再発の不安や進行などによっては二次再建のほうが望ましい場合もあります。
現在、手術費用は保険適用の場合が多く、乳頭や乳輪再建も対象となるなど治療の選択肢も広がっています。
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