早期治療で適応が可能!小切開の低侵襲治療
若い世代に多いバセドウ病
中高年から増加する橋本病
甲状腺は、首の前側、のど仏の下にある蝶が羽を広げたような形状の小さな臓器で、重さは10〜20グラム程度。甲状腺ホルモンを分泌して新陳代謝を活発にし、体温や自律神経を調整しています。甲状腺ホルモンは、心臓や脳の働き、妊娠の維持、子どもの成長など重要な役割を担っており、甲状腺機能に異常が起こると、様々な症状が現れてきます。
代表的な甲状腺疾患の一つが、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるバセドウ病です。20〜30代の女性に多く、発症すると動悸や息切れ、手の震え、汗、イライラ、目の突出や首の腫れなどの症状が現れます。治療は薬物療法が基本となりますが、効果不十分な場合は放射性ヨウ素内用療法や手術が行われます。
さらに、甲状腺の慢性的な炎症によってホルモンが不足していく疾患の代表例として、橋本病が挙げられます。特に更年期以降の女性に多く、疲れやすい、寒がり、むくみ、体重増加、便秘などの症状が現れる病気で、治療はホルモンを補う薬物療法が中心となります。また、甲状腺にしこりができる甲状腺腫瘍は、良性が多いものの稀にがんの場合もあるため、超音波検査や病理検査など綿密な検査を実施し、状態に応じて手術適応となります。
保険適用となった内視鏡手術
小さな切開で手術が可能に
従来の甲状腺手術は、首の前を大きく切開していたため、傷跡が目立ちやすいなど身体への負担が大きいものでした。
しかし現在、治療の低侵襲化が進み、わきの下や鎖骨下など傷跡が目立たない場所から、小さく切開して患部へアプローチする甲状腺内視鏡手術が行われています。1997年に甲状腺腫瘍の内視鏡手術が世界で初めて実施されて以降、98年に国内でも手術を開始。さらに2016年には良性腫瘍やバセドウ病、18年悪性腫瘍に対して保険適用となるなど経済的負担も軽減されています。甲状腺内視鏡手術は、整容性に優れ出血や術後の痛みが少なく回復も早いなど、利点が多い手術法ですが、症状によって適応は異なり、良性腫瘍や小さながん、薬物療法が難しいバセドウ病などが対象となっています。
甲状腺の病気は、免疫の異常が関係し女性に多いのが特徴です。月経異常や不妊、流産の原因になることもあるため、首の腫れやしこり、原因不明の体調変化が続く場合は、早めに医療機関に相談することが大切です。
Page
Top