進む低侵襲化!高度な技術で症状改善を図る!
高精度なロボット手術
心臓手術も可能に!
近年ロボット技術の進化に伴い、心臓手術においてもロボットを用いた、より低侵襲な手術が行われるようになり注目されています。
手術では、術者が操縦席に座り、カメラと、鉗子が付いたロボットアームを遠隔操作します。鮮明な立体画像で患部を確認することができるため、細い血管も認識しながら手術を行う事ができること、特に人間の手と比べて可動域が広く、手ブレ補正機能を備えているなど安全性も兼ね備えています。
出血や痛みが少ない!
高度な低侵襲心臓手術
従来、心不全を引き起こす恐れがある心臓弁膜症(大動脈弁狭窄症・僧帽弁閉鎖不全症など)や心房中隔欠損症は、胸骨正中切開という胸骨を20~30㎝縦に切開する手術が行われてきました。
しかし近年、開胸しないで症状改善を図る、MICS(Minimally Invasive Cardiac Surgery)が導入され大変注目されています。
MICSとは、胸骨の一部分だけを切る胸骨部分切開や、胸骨を切らずに肋骨の間から手術を行う肋間小開胸など、小切開で行う手術のアプローチ方法です。切開は10㎝以下で、骨を切らないため出血や痛みが少なく、感染症リスクが低いのも大きな特長です。早い方は翌日からリハビリをスタートすることができ、術後5日~1週間程度で退院することも可能です。
特に肋間小開胸は、胸の下部から手術を行うことができるため、女性の場合、傷痕が乳房に隠れて目立ちにくく美容的にも優れています。
ハイブリッド手術室を完備
経カテーテル大動脈弁置換術
胸の痛みや失神、延いては突然死に至ることもある大動脈弁狭窄症は、従来、開胸して心肺を一時的に停止させ、大動脈弁を人工弁に取り替える大動脈弁置換術が行われてきました。
しかし近年、開胸せずに太ももの付け根や心臓の先端(心尖部)からカテーテルを挿入し、狭窄した大動脈弁を人工弁に置き換える経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)が行われています。心肺を停止させる必要がなく術後回復が早いのが大きな利点です。治療の際、心臓血管外科医や循環器内科医などを中心としたハートチームが結成され、ハード面では、手術台と心・脳血管X線撮影装置を組み合わせた最新鋭のハイブリッド手術室の完備が義務付けられています。更に緊急開心・胸部大動脈手術が実施可能であることなど、様々な厳しい基準が設けられています。
大動脈瘤破裂を未然に防ぐ
ステントグラフト内挿術
70歳以上に好発する大動脈瘤。大量出血して激しい胸痛や腹痛を起こし、突然死することが多いため早期治療が重要です。従来、胸部や腹部を大きく切開して大動脈瘤を取り除き、人工血管に置き換える人工血管置換術という外科手術が行われてきました。
しかし近年、大きく切開する必要がないステントグラフト内挿術という、身体へ負担の少ないカテーテル治療が実施されています。太ももの付け根などを小切開して、血管からカテーテルと呼ばれる細い管を通し、ステントグラフトという金属製の特殊な人工血管を大動脈瘤へと到達。患部で広げて血管を補強し症状改善を図る血管内治療で、術後1週間〜10日間程度で退院することが可能です。
ただし、これらの手術は症状により適応が異なります。また、高精度な医療器の完備と医師の高度な技術力を要するため、全国でも一部の医療機関でのみ行われています。
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