高度な治療で寝たきりを回避!早期治療の重要性
高齢の女性は要注意!
骨折を引き起こす骨粗鬆症
高齢化社会の影響に伴い増加している、大腿骨頚部骨折、大腿骨転子部骨折などの大腿骨近位部骨折。年間約25万人が受傷しており、男女比は約1:4で高齢の女性に多く見られます。現在、その要因の一つとなる骨粗鬆症は、全国約1300万人いると推計されています。加齢や運動不足、生活習慣の乱れ、閉経後の女性ホルモン減少などが関係しており、発症すると骨が脆弱化し、軽い衝撃を受けただけでも骨折するリスクが高まるため注意が必要です。
症状に応じた適切な手術と
スムーズなリハビリが大切
大腿骨近位部骨折を受傷すると、ギプス固定などの保存療法か大抵の場合は手術が必要になります。主に、スクリューやプレートなどの金属を用いて、自身の骨を接合させる骨接合術や、折れたり変形した骨を取り除き、金属やセラミック製のインプラントに置き換える人工骨頭挿入術が行われますが、骨折した部位や程度に応じて適用される手術は異なります。 関節は、関節包という袋で覆われていて、股関節包の内側に大腿骨頚部、外側に大腿骨転子部が存在しており、折れた骨が癒合する際、骨の表面にある外骨膜が重要な役割を担っています。しかし、大腿骨頚部には外骨膜が存在しておらず、骨が癒合しづらい特徴があります。そのため、大腿骨頚部骨折の場合、骨折部のズレが小さい場合は骨接合術を行いますが、大腿骨頭に血流障害が起きると、骨頭部が壊死して圧壊する危険性もあるため、ズレが大きい場合は人工骨頭置換術が適用されます。一方、大腿骨転子部骨折は、関節外骨折のため血流が豊富で骨癒合しやすく、偽関節になる危険性も少ないことから、主に骨接合術が適用されます。 大腿骨近位部骨折は、強い痛みが生じて立ち上がりや歩行も困難になります。筋力低下や認知機能の低下、延いては寝たきりになる危険性があるため、早期治療、早期離床、早期リハビリテーションが推奨されています。しかし、様々な要因から実際に手術を受けられるまで待機期間を要する医療圏もあり、手術の遅れが予後を左右することがあるため早急なる解決が求められています。
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