高齢化社会で急増! 脊椎圧迫骨折の低侵襲治療
高齢者に多い骨粗鬆症
脊椎圧迫骨折の原因に!
高齢化社会に伴い、よく耳にする"骨粗鬆症"。現在、骨粗鬆症は増加の一途を辿っており、患者数は約1300万人と推定されています。加齢と共に、骨密度が低下し骨質も劣化していくため、高齢になるほど発症率が上がってきます。特に60代以降の女性に多く見られ、骨強度の低下や骨折しやすくなる歩行困難、更には寝たきり状態になるなど、高齢者のQOL低下の大きな要因となっています。現在、この骨粗鬆症が原因となって起こる脊椎圧迫骨折が増加しています。
普通は脊椎圧迫骨折になると、腰や背中に激しい痛みがあります。しかし、骨粗鬆症が起因している場合は、物を持った時やくしゃみをした時など、ほんのわずかな衝撃でも生じることがあり、背中に多少の痛みを感じる場合もありますが、骨折していることに気がつかず、悪化してしまうケースが増えています。
進化する医療技術
注目される低侵襲治療
従来、脊椎圧迫骨折の治療では、薬物療法やギブス、コルセットによる固定などの保存療法や、金属製の器具で固定する脊椎固定術などが行われてきましたが、近年身体への負担が少ない「経皮的椎体形成術(BKP)」が登場し注目を集めています。
経皮的椎体形成術とは、骨折した椎体の安定化を図る治療です。骨の両脇を2ヶ所、5㎜〜1㎝程度切開し、骨折した脊椎の中にバルーンを入れて膨らませてスペースを確保した後、骨セメントで充填します。侵襲が低いため出血がほとんどなく、術後回復が早いことから、当日または翌日から歩行できるのも大きな利点です。
経皮的椎体形成術は、脊椎脊髄病全般の豊富な治療実績をもち、認定施設で研修を受けた医師であること、また、必要な設備が完備されている施設で行うことなど規定されている高度な治療法です。
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