開頭せずに症状改善!負担の少ないカテーテル治療
治療の低侵襲化で日帰りや
短期滞在手術が可能に
現在、脳卒中は死亡原因上位となっている国民病です。特に高齢者は発症率が高く、重篤な状態になると命の危険があるため早期発見・早期治療が重要です。
従来、様々な脳疾患に対する手術は開頭して行われていたため、侵襲が大きく長期間の入院が必要でした。しかし、1970年代から行われるようになった脳血管内治療は、開頭せずに手術することができるため、体への負担が少なく入院期間も短縮され、大変注目を集めました。更に1980年代後半にはマイクロカテーテルという非常に細いチューブが開発され、より低侵襲な治療へと飛躍的な発展を遂げています。
脳血管内治療の対象となる疾患は、脳動脈瘤、頸部頸動脈狭窄症、頭蓋内・頭蓋外血管狭窄、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻などが挙げられます。特に脳動脈瘤は、脳卒中の中でも命の危険性が高い「くも膜下出血」の大きな原因となるため注意が必要です。脳動脈瘤とは、脳の動脈の一部が膨らんでコブ状になった状態を指します。未破裂脳動脈瘤の場合は基本的に無症状ですが、ひとたび破裂すると、くも膜下出血を起こし約3分の1が命を落とすと言われます。そのため未破裂脳動脈瘤が見つかった場合は、発生部位や大きさ、形状などを観察して破裂リスクを見極め、適切なタイミングで治療を行うことが重要です。
痛みも少ない脳血管内治療
早期退院も可能に
脳血管内治療とは、様々な脳疾患に対して開頭せずに、血管内でアプローチする身体へ負担の少ない治療法です。主に太ももの付け根などをわずかに穿刺し、カテーテルと呼ばれる細い管を挿入して病変部まで進め、様々なデバイスを駆使して症状改善を図ります。
脳血管内治療は、従来の手術では治療困難であった病変へも到達することができます。状態によっては局所麻酔で手術を行うことができ、開頭手術より手術時間が大幅に短縮され、術後の痛みも少なく、目立つ傷跡も残りません。入院期間もおおむね3~4日で、早期社会復帰が可能です。
注目を集める脳血管内治療ですが、特殊な治療機器や器具を使うため、専門知識や高度な技術が必要です。手術を受ける場合は、豊富な経験と技術力の高い脳血管内治療専門医を選ぶことが重要なポイントと言えるでしょう。
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