低侵襲な血管内治療と高度な開頭手術が可能な急性期治療病院
死因第4位の脳血管疾患
整備が進む脳卒中治療
年間10万人以上が亡くなっている脳卒中。虚血性脳血管障害の脳梗塞、出血性脳血管障害の脳出血と、くも膜下出血があり、中でもくも膜下出血は、脳動脈瘤が突然破裂して3人に1人が命を落としています。現在、日本脳卒中学会が認定した一次脳卒中センター(PSC)では、地域の医療機関や救急隊からの要請に対し、24時間365日脳卒中患者の受け入れが可能で、急性期脳卒中診療担当医師が、患者搬入後可及的速やかに診療(rt-PA静注療法を含む)を開始することができます。
根治性と低侵襲性
高度な治療の選択肢
脳動脈瘤の治療は、開頭するクリッピング術と脳血管内治療に分けられます。クリッピング術とは、長年行われてきた標準治療で、顕微鏡を用いて直接患部を確認しながら、脳動脈瘤の根元部分をクリップで挟んで閉塞し、瘤に流入する血液を遮断する、最も根治性が高い手術です。一方の脳血管内治療には、脳動脈瘤の中に金属製コイルを詰めて動脈瘤を閉塞させ、脳動脈瘤の破裂を防ぐ方法や、狭窄した血管を拡げて血流を改善させ脳梗塞を防ぐ方法などがあります。コイルを用いた治療では、カテーテルを鼠径部などのから挿入し、マイクロカテーテルという直径約0.6㎜~0.9㎜の管を通して、脳動脈瘤に金属製のコイルを挿入し病変部を閉塞させます。一方、狭窄した血管を拡張させる治療では、血管を拡張用の風船が付いたカテーテルで押し広げる方法や、筒状のステントを病変部に留置して、血管を拡張させる方法などがあります。
近年、高度な開頭手術と低侵襲な血管内治療が可能な急性期治療病院が注目されています。脳卒中治療は、脳動脈瘤の大きさや位置、状態などに応じてより適切な治療が要求されますが、医師の高度な技術力と高精度な医療機器の完備が必須です。各治療に精通した医師が在籍する医療機関では、患者の症状を的確に見極めて、迅速に高度な脳卒中治療を実践することが可能なため、その取り組みに更なる期待が高まっています。
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