高度な技術で「聞こえ」を改善! 進化する高度難聴治療
先天性難聴や老人性難聴は
聴覚機能の回復が難しい
音や話し声が聞こえにくい状態を難聴といい、伝音難聴と感音難聴、そして両方が合併した混合性難聴に分類されます。伝音難聴は、外耳や中耳の障害が原因で起こる難聴です。外耳道炎や急性中耳炎などによる一時的な難聴は薬物投与で改善することが多く、滲出性(しんしゅつせい)中耳炎や鼓膜穿孔による難聴も手術により改善の効果が期待できます。
一方の感音難聴は、内耳や かぎゅう蝸牛神経、脳に原因がある難聴です。生まれつきの先天性難聴。加齢による老人性難聴。騒音や長時間のイヤフォン使用による騒音性難聴。明らかな原因はなく突然耳の聞こえが悪くなる突発性難聴などがあります。感音難聴は聴力の回復が難しく、補聴器を使用しても十分な効果が得られない場合は人工内耳手術を検討します。成人は90デシベル(dB)以上の高度難聴。身体障害者の手帳をお持ちの場合は聴覚障害の2〜3級が相当。小児は1歳以上など一定の基準を満たした場合に適応となります。
高度難聴を改善する
保険適用の人工内耳手術
人工内耳手術とは、聴覚を司る蝸牛に電極を埋め込み直接聴神経を刺激して、聴覚獲得を図る手術で、耳後方を切開して骨を薄く削り、蝸牛に小さな穴を開けて電極本体を埋め込みます。手術は2〜3時間で、翌日起き上がって歩くこともでき約10日間の入院で済みますが、手術後に定期的なリハビリテーションを受けることが大切です。
1994年に人工内耳手術が保険適用となり、2014年には、残存聴力活用型人工内耳も保険適用となったことで、低音域に聴力が残っている場合でも人工内耳手術を受けることが可能になりました。また、2012年に先天性難聴の遺伝子検査が保険適用となっています。「聞こえ」を改善する人工内耳手術が行える医師は数少ないため、気になる方は専門の医療機関へ相談すると良いでしょう。
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