進化する医療技術!高度な低侵襲治療で症状改善を図る!
ほとんどない初期症状!
早期治療が重要な前立腺がん
泌尿器科では、腎臓・尿管・ぼうこう膀胱・前立腺・生殖器といった尿の生成・はいせつ排泄までの器官を対象としており、尿管結石症、前立腺肥大症、前立腺がん、膀胱がん、腎がんなどの治療が行われています。
特に、男性が罹るがんの中で、胃がん・大腸がん・肺がんに次いで、4番目に多い「前立腺がん」。前立腺とは、男性の恥骨と直腸の間にある生殖器の一つで、精液の一部である前立腺液を作っており、生殖活動に欠かせない重要な臓器です。前立腺がんは、男性ホルモン、加齢、食生活、遺伝などが影響していると考えられており、初期の段階では症状がほとんどありません。進行すると、尿が出にくい・切れが悪い、トイレに行く回数が増えるなど、排尿に関する症状が出てきます。また、他のがんと比べ比較的ゆっくり進行していき、近くのリンパ節や骨、肺、肝臓などに転移する場合があります。
症状が悪化すると、根治が難しくなるため、40歳以上の方は、定期的に検査を行うなど早期発見に努めましょう。
身体への負担が少なく
機能温存も可能に!
前立腺がんは、早期治療が行える段階では治療の選択肢も多く、根治できる可能性があります。従来、前立腺がんの摘出手術における術後の合併症として、尿失禁や性機能障害(勃起不全)などが大きな課題でした。
しかし近年、手術支援ロボットが登場し、術後の尿失禁や性機能障害などの合併症が軽減され、機能温存も見込めるようになり大変注目されています。ロボット支援下手術では、最大6カ所5〜12㎜切開し、かんし 鉗子がついたアーム3本と、高画質の3次元カメラが接続されたアーム1本、計4本のアームを挿入します。医師は、ハイビジョンカメラで撮影された、高解像度で立体感のある画像を、モニターで確認しながらアームを遠隔操作し手術を行います。画像は、最大15倍まで拡大することができるため、患部を細部にわたり確認することが可能です。また人間の手以上に可動域が広く、微細な血管や神経を傷つけずに手術を行うことができるため、出血量や術後の痛みも少なく、早期回復が見込めるのも大きな利点です。
現在、泌尿器科領域ではロボット支援下手術の普及が進んでいます。2012年にロボット支援前立腺全摘術が保険適用となったのを皮切りに、2016年に腎がんに対する部分切除術、2018年には浸潤性膀胱がんに対する膀胱全摘術と、今後ますますの普及が見込まれます。
ただし、ロボット支援下手術は高精度な医療機器の完備と医師の技術力が必要なため、限られた医療機関でのみ実施されている手術です。そのため、気になる方は専門の医療機関へ相談するとよいでしょう。
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