最先端の消化器外科手術! 低侵襲な高度治療を実現
精密な手術を可能にする
注目のロボット支援手術
消化器に発生する主ながんとして、食道がんや胃がん、大腸がんが挙げられます。大腸は大きく分けて結腸と直腸から成り立ち、日本人はS状結腸と直腸にがんができやすいと言われています。いずれも初期症状が出にくく、進行すると食道がんは胸の違和感や痛み、飲食物がつかえる感じ、咳や声のかすれ。胃がんは胃の不快感や違和感、胸やけ、食欲不振。そして大腸がんは血便や下痢と便秘の繰り返し、残便感などが挙げられます。 がんの初期段階では、内視鏡手術が行われます。胸やお腹などに小さな穴を数ヶ所開けて専用の手術器具を挿入し、モニターを見ながら行う手術です。開腹・開胸手術に比べて傷口が小さくてすみますが、手術器具を直線的にしか動かせないため細かい作業がしにくく、また立体的に捉えることができません。そこで「傷が小さく低侵襲」という内視鏡手術のメリットはそのままに、課題を解決してより高度な手術を可能にする機器として登場したのが、手術支援ロボット「ダヴィンチ」です。
2018年に保険適用拡大
食道・胃・直腸がんも対象
医師がサージョンコンソールと呼ばれる操縦席に座り、3D画像を見ながら遠隔操作によってアームや内視鏡カメラを動かして手術を行います。手ぶれを補正したり、カメラが患部を立体的に捉えて拡大することが出来るため、肉眼では見えないような微小血管や神経などを見ながら手術を行うことが可能です。また、身体への負担が軽いため術後の回復が早く、合併症や再発のリスク軽減が期待できるのも利点です。食道がんや胃がん、直腸がんは、早期に治療すれば治癒することが可能な病気です。2018年には食道がんと胃がん、直腸がんも保険適用となり、高精度なダヴィンチ手術を受けやすい環境となっています。
高度な最先端前立腺がん治療! 機能温存を可能に
排尿に異常を感じたら
早めに泌尿器科の受診を
前立腺は膀胱の下にあり、精液の一部を作る男性特有の臓器です。約3㎝のクルミほどの大きさで、尿道を取り囲む内腺とその周囲にある外腺に分かれています。前立腺がんは主に外腺から発生し、進行すると尿道が圧迫され「尿が出にくい・尿の回数が多い・残尿感がある」など、前立腺肥大症と類似した症状が現れますが初期症状があまり無く、若い方は40代から発症し、50代になると罹患率が高くなるため早めの検査が重要です。
血管や神経を傷つけない
最先端のロボット支援手術
近年、手術支援ロボット「ダヴィンチ」の登場により、身体の機能を温存し合併症も軽減できる、体へ負担が少ない手術として注目を集めています。小さな穴を最大6か所開け、ダヴィンチの内視鏡やロボットアームを挿入して手術を行います。その際、医師は精密な3D画像で手術部位を確認しながらロボットアームを遠隔操作して手術を行いますが、手ぶれ防止をはじめ医師の操作を助けるさまざまな機能があるため、術野の細部がよく見えた状態で繊細な手術操作を行うことができるのが大きな特徴です。特に、微細な血管や神経を傷つけずに温存することが可能なため、出血量や術後の痛みも少なく、早期回復が見込めるのも大きな利点です。
泌尿器科領域ではロボット支援手術の普及が進んでいます。2012年にロボット支援前立腺全摘術が保険適用となったのを皮切りに、2016年に腎がんに対する部分切除術、2018年には浸潤性膀胱がんに対する膀胱全摘術も保険適用となり、今後ますますの普及が見込まれます。前立腺がんは進行が比較的緩やかで、早期に発見して適切な治療を行えば十分に根治が望める病気です。機能温存を可能にするダヴィンチを使った最先端手術は、今後ますます需要が拡大していくことでしょう。
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