ガンマナイフ治療では、焦点がズレないようにするため頭部を固定する必要があります。その際、従来、頭部へ金属製のフレームを装着してピンで固定を行っていましたが、近年は状態によりマスク固定で治療が受けられるようにもなっています。治療では、検査で撮影した画像をコンピューターに読み込み、照射範囲や線量を計算し照射していきます。治療中は痛みや不快な音などはありません。治療時間は病変の状態によって異なりますが、基本的に30分から数時間で、治療終了後は歩行や食事をすることも可能です。比較的小さな脳の病変が治療対象ですが、照射精度の向上や、分割照射の導入により、病変によっては⻑径が3㎝以上であっても状態により治療することが可能な場合もあります。ただし、ガンマナイフ治療は高精度な医療機器の完備と熟練した医師の高い技術力が必要不可欠なため、全国でも限られた一部の医療機関でのみ行われている治療法です。
サイバーナイフ治療の大きな特徴として、治療精度の高さが挙げられます。細い放射線ビームを精密に集中させ、0.5㎜以下の精度で病巣のみを狙うことができるため、周囲の正常な細胞を傷つけることがありません。そのため、周辺組織に余計なダメージを与えることなく治療を行うことができ、照射方向の自由度が高いことも、サイバーナイフ治療の特徴です。多くの方向からピンポイントで照射することができ、これまで不可能であった斜め上方からの照射も可能になりました。また治療中に患者が動いても、照射点を自動的に補正し追尾したり、また照射を中断することも出来るなど様々な安全対策が施されています。
粒子線治療は「陽子線治療」と「重粒子線治療」の2種類があり、様々ながんに対する治療が行われています。陽子線治療は、もっとも軽い元素である水素の原子核(陽子)を加速させ、エネルギーを高めた陽子線を患部に照射する方法で、粒子が軽く360度あらゆる方向から緻密に照射することが可能です。重粒子線治療は、炭素の原子核を加速して患部に照射する方法で、放射線療法の中で最もがん細胞を破壊するパワーが強い治療法です。