手術当日に帰宅可能!症状改善を図る老眼治療!
高齢化社会で増加
40歳以上から発症も
かつて「しろそこひ」とも呼ばれていた白内障。早い方は40歳ごろから発症し、80歳を超える頃には殆どの方が白内障を発症していると言われています。厚生労働省のNDBオープンデータによると、白内障の手術である水晶体再建術は2020年約143万件、2021年約152万件、2022年約166万件。高齢化社会の影響に伴い、年々増加の一途を辿っています。
白内障には、「先天性白内障」と「後天性白内障」があり、先天性白内障の場合は、弱視の原因ともなるため早期に手術をする必要があります。もう一方の後天性白内障は、加齢に伴って発生するケースが最も多く、加齢性白内障とも呼ばれている一般的な白内障で、多くの方がこれにあたります。
放置しないで白内障
早期治療の重要性
白内障とは、本来無色透明であるはずの水晶体が白く濁り、視力を低下させていく病気です。水晶体は正常な場合、外から入ってきた光を透過させ、近くを見る時は厚くなり、逆に遠くを見る時は薄くなるなど厚みを変化させてピント調節を行っています。この時、水晶体が光を屈折させることで網膜上に焦点を合わせていますが、水晶体が、濁ると透過するはずの光が散乱して網膜上にうまく焦点を合わせることができなくなり、見え方が悪くなってしまいます。白内障は軽度の場合、あまり症状がありません。進行すると、次第に水晶体の濁りが出てきてモノが見えづらくなっていきます。また、ピントが合わせにくくなるため、無理にピントを合わせようとして目が疲れやすくなり、かすむ、ぼやける、まぶしいなどの症状が出てきます。白内障自体は比較的失明率の低い病気ですが、進行すると緑内障という視野が欠けていく病気を引き起こす場合があります。緑内障を併発し、悪化すると失明リスクが高くなるため注意が必要です。
身体への負担が少なく
入院せずに手術が可能に
白内障は自然治癒することはありません。そのため、症状が軽度の場合、まず経過観察か点眼薬などを用いて進行を遅らせる治療を行います。しかし、あくまで白内障の進行を抑えることが目的となりますので、生活に支障が出てくるほど症状が進行した場合は、根治を目指して、水晶体の濁りを取り除く手術が検討されます。
従来の白内障手術は、角膜を大きく切り開き水晶体全体を取り出していたため、手術後は入院して安静にする必要がありました。しかし現在、手術の低侵襲化が進み、内科系の持病がある方などは、状態により入院を要する場合もありますが、多くの場合、局所麻酔で体に負担が少ない日帰り手術を受けることが可能になっています。
老眼改善も期待できる
進化する白内障手術
手術は、一般的に10〜15分程度。局所麻酔をした後、水晶体の前嚢を約5㎜円形に切り抜き、混濁している部分を超音波乳化吸引器で破砕、吸引して除去、その後、水晶体嚢へ眼内レンズを挿入します。術中に、見えにくさの原因となっている濁りを取り除く過程で水晶体を除去してしまうため、水晶体嚢へ代用となる人工のレンズを入れる必要がありますが、どのレンズを選択するかによって見え方が異なってきます。
眼内レンズには、大きく「単焦点眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」の2種類があります。一般的に使用されているのは、単焦点眼内レンズという保険適用のレンズです。手術費用が抑えられるというメリットがありますが、その反面一つの距離にしか焦点を合わせることができないというデメリットもあります。例えば、遠方に焦点を合わせると近くが見えづらくなり、近くを見るときには術後も眼鏡が必要になるなどの不便さです。それを解消したのが、ピントを合わせる範囲を広げることができる多焦点眼内レンズです。遠方・近方などへ焦点を合わせることができ、老眼も解消することができるため大変注目を集めています。また、多焦点眼内レンズは2020年4月より、選定療養の枠組みで使用可能となりました。レンズの差額のみ自費で追加支払いする必要はありますが、手術自体は保険が適用されるため、経済的負担も軽減されており、手術を受けやすい環境が整えられてきています。
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