スポーツ医学・関節鏡視下手術と
人工関節医療の融合

　スポーツ医として活動していた2000年前後は関節鏡視下手術を中心に行ってきました。膝ACL再建は鏡視下two root double bundle（ST腱）、肩関節は反復脱臼や腱板断裂、SLAP損傷を肩関節鏡視下手術で行ってきましたが、その数年後USAでスポーツ医の立場からも納得の行く人工関節が登場したため、現在、初期症例は靱帯再建・半月板内方化など鏡視下手術、中期症例は鏡視下手術と部分的な置換術のハイブリッド、進行症例を全置換術としています。人工膝関節置換は2013年に実物大臓器立体モデルによる手術支援を導入、股・膝・足関節の機能軸が直線となるような骨切りデザイン（片脚起立時の荷重伝達に有利）をcomputer simulationで作成、個別の骨切り支援ガイドによる人工膝関節置換術を継続しています。術中の可動域は約140度ですが術後癒着等で低下しますので、希望者には後日関節鏡視下手術を行い可動性再獲得を目指します（人工関節機能不良例の受け入れも行っています）。人工股関節置換は最新の低侵襲手術「筋腱温存型」仰臥位前側方アプローチ「AL-Supine」テクニックで手術を行ない、関節包靱帯の完全修復を目指します。骨がしっかりしていれば手術翌日から全荷重歩行リハビリを開始、ADL制限も加えていません。人工肩関節についてはリバースショルダー（反転型人工肩関節）の実施が可能です。リウマチ症例はバイオ製剤使用も含め肘・手指の人工関節置換など全関節対応型の治療を行います。スポーツ医としては「術後に走れないと意味がない」ので、脊椎疾患も同時に治療し、運動機能の向上を目指しています。

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