がんを切らずに治療できるサイバーナイフ

　サイバーナイフは定位放射線治療というがんに対して放射線を照射して治療する比較的新しい医療機器のひとつです。通常の放射線治療と異なり、がんの部分に対してピンポイントに放射線を照射することができ、副作用が少なく治療効果も優れているという特徴があります。１回の治療時間は30分～50分、それを連続して５日～７日行います。
　治療効果は徐々に現れます。がん種にもよりますが９割前後の方で、３～６ヶ月後にがんが縮んだ状態となります。治療自体は通院で行えるほど身体に対する負担が少ないものですが、遠方の方は入院治療も可能です。
　サイバーナイフは以下のがん種に保険適応を有します。肺癌、肝癌、腎癌、前立腺癌、膵癌、遠隔転移など、いずれも大きさが5㎝以下かつ病変の数が３～５個となっています。
　保険適応疾患でサイバーナイフを受けた方は、3割負担の方でお支払い金額は約19万円となります。高額医療費の申請を行うことで、自己負担限度額を超過した金額は後々還付されます。
　私自身は肝がん（転移性を含む）診療を専門としてきた内科医であるため、サイバーナイフに限らず、肝がんに適応を有する低侵襲治療であるラジオ波焼灼療法、カテーテル治療（肝動脈塞栓術）、また抗癌剤治療にも携わってきました。そのため、この専門領域に関しては、様々な立場からより良い治療方法をご提案できると考えています。
　専門領域はもちろん、そうでなくともがんでお悩みの方は相談だけでもかまいません。どうぞよろしくお願い致します。