名戸ヶ谷病院
脳神経外科部長
脳卒中センター長
井上 靖章
日本脳神経外科学会認定
脳神経外科専門医
いのうえ・やすあき
2013年、京都大学医学部卒。上山博康脳神経外科塾にて手術トレーニング。20年、ハーバード大学Brigham and Women’s Hospitalフェロー。21年より現職。
日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医
日本脳神経血管内治療学会認定脳血管内治療専門医
2021年に地域のニーズに応え「脳卒中センター」を立ち上げた名戸ヶ谷病院。開院当時より「断らない救急」を掲げ、初代センター長として就任したのが豊富な経験と高い技術力をもつ井上靖章医師だ。今回、同センターが実践する高度な脳卒中医療について、井上センター長にお話を伺った。
「この病院に運ばれてよかった」と
感じてもらえる医療を提供したい
脳神経外科分野で国内トップクラスの病院やアメリカで経験を積み、30代前半という若さで現職に就任した井上センター長。
「脳卒中の治療は時間との戦いであり、運ばれた病院で運命が決まってしまう。そこで『ここしかなかった』ではなく『ここで良かった』と言っていただけるよう、世界最高峰レベルの脳卒中医療を柏から発信していきたいと強く感じていました」と、井上センター長は就任当時を振り返り熱く語る。
現在同センターでは24時間365日体制で救急隊とホットラインをつなげ、搬送が決まると同時に院内の関係部署にスクランブルがかかる。そして、搬送されたらすぐに検査して状態を見極め、必要があれば即手術を行っている。
「スタッフが一丸となり、搬送後は迅速に手術まで行える体制を整えているため、例えば遠方からの搬送で多少時間を要したとしても、トータル的に近隣からの搬送と同様な時間で治療を行うことができます」
同センターでは脳卒中専門の集中治療室であるSCUを12床備えるなど、緊急処置だけではなく術後のケアも万全を期していると、井上センター長は強調する。
患者の症状に適した治療を選択
根治を目指した高度な脳神経外科治療
近年破裂脳動脈瘤の治療や未破裂脳動脈瘤に対する処置において、開頭不要で低侵襲のカテーテルを用いたコイル塞栓術の人気が高い。しかし井上センター長は、術式ありきの医療に疑問を呈する。
「動脈瘤の治療には大きく分けてカテーテルを用いたコイル塞栓術と、開頭して動脈瘤の根元をクリップで挟んで流れ込む血液を遮断する開頭クリッピング術の2つがあります。カテーテル手術は確かに低侵襲ですが、脳動脈瘤の部位や形によってはコイルによる塞栓が不可能な症例があるほか、コイルが血流により圧迫され小さくなるコイルコンパクションと呼ばれる状態になり、再治療が必要になるケースもあります。当センターでは両方の処置をいずれも高い技術で行えるため、根治を目指し患者さまにとってより良い治療を実践しています」
積極的に予防医療にも尽力し
質の高い総合的な脳神経外科医療を提供
同センターは治療だけではなく、予防医療にも力を入れている。その事例のひとつが、1万円を切る脳ドックの提供だ。地元のプロサッカークラブ柏レイソルと2022年4月から脳ドックの啓蒙活動を開始し、わずか2ヶ月で118件、毎月の実施枠を200件に増やしたにもかかわらず、既に数ヶ月待ちだという。
「脳卒中センターという名称ではありますが、今後は脊髄や末梢神経疾患、そして水頭症といった脳卒中以外の疾患についても、高度な脳神経外科医療をこのセンターから発信したいと考えています」と、井上センター長は最後に今後の抱負を力強く語ってくれた。
※2022年7月28日掲載時点の情報です。詳しくは各医療機関にお問い合わせください
病院詳細
特徴
脳血管内治療
住所
千葉県柏市新柏2-1-1
TEL
04-7167-8336
診療時間
月〜金 9:00〜12:00/14:00〜17:00
土 9:00〜12:30
休診日
日、祝
※急患は24時間365日対応
公式サイト
https://www.nadogaya-neurosurgery.com/
(脳神経外科)
https://www.nadogaya.com/
(トップページ)
ギャラリー
様々な研鑽を積み、豊富な経験と高い技術力で
難易度の高い開頭手術やカテーテル治療にも対応
高精度な最新のアンギオ室を完備し
安全性を追求した質の高い脳神経外科治療を提供
アクセス
現在地から病院までのルート >>>
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2021年に地域のニーズに応え「脳卒中センター」を立ち上げた名戸ヶ谷病院。開院当時より「断らない救急」を掲げ、初代センター長として就任したのが豊富な経験と高い技術力をもつ井上靖章医師だ。今回、同センターが実践する高度な脳卒中医療について、井上センター長にお話を伺った。
「この病院に運ばれてよかった」と
脳神経外科分野で国内トップクラスの病院やアメリカで経験を積み、30代前半という若さで現職に就任した井上センター長。感じてもらえる医療を提供したい
「脳卒中の治療は時間との戦いであり、運ばれた病院で運命が決まってしまう。そこで『ここしかなかった』ではなく『ここで良かった』と言っていただけるよう、世界最高峰レベルの脳卒中医療を柏から発信していきたいと強く感じていました」と、井上センター長は就任当時を振り返り熱く語る。
現在同センターでは24時間365日体制で救急隊とホットラインをつなげ、搬送が決まると同時に院内の関係部署にスクランブルがかかる。そして、搬送されたらすぐに検査して状態を見極め、必要があれば即手術を行っている。
「スタッフが一丸となり、搬送後は迅速に手術まで行える体制を整えているため、例えば遠方からの搬送で多少時間を要したとしても、トータル的に近隣からの搬送と同様な時間で治療を行うことができます」
同センターでは脳卒中専門の集中治療室であるSCUを12床備えるなど、緊急処置だけではなく術後のケアも万全を期していると、井上センター長は強調する。
患者の症状に適した治療を選択
近年破裂脳動脈瘤の治療や未破裂脳動脈瘤に対する処置において、開頭不要で低侵襲のカテーテルを用いたコイル塞栓術の人気が高い。しかし井上センター長は、術式ありきの医療に疑問を呈する。根治を目指した高度な脳神経外科治療
「動脈瘤の治療には大きく分けてカテーテルを用いたコイル塞栓術と、開頭して動脈瘤の根元をクリップで挟んで流れ込む血液を遮断する開頭クリッピング術の2つがあります。カテーテル手術は確かに低侵襲ですが、脳動脈瘤の部位や形によってはコイルによる塞栓が不可能な症例があるほか、コイルが血流により圧迫され小さくなるコイルコンパクションと呼ばれる状態になり、再治療が必要になるケースもあります。当センターでは両方の処置をいずれも高い技術で行えるため、根治を目指し患者さまにとってより良い治療を実践しています」
積極的に予防医療にも尽力し
同センターは治療だけではなく、予防医療にも力を入れている。その事例のひとつが、1万円を切る脳ドックの提供だ。地元のプロサッカークラブ柏レイソルと2022年4月から脳ドックの啓蒙活動を開始し、わずか2ヶ月で118件、毎月の実施枠を200件に増やしたにもかかわらず、既に数ヶ月待ちだという。質の高い総合的な脳神経外科医療を提供
「脳卒中センターという名称ではありますが、今後は脊髄や末梢神経疾患、そして水頭症といった脳卒中以外の疾患についても、高度な脳神経外科医療をこのセンターから発信したいと考えています」と、井上センター長は最後に今後の抱負を力強く語ってくれた。